令和8年度の技術士第二次試験は、筆記試験の合格発表が11月上旬(11月4日(水)予定)、口頭試験が令和8年12月上旬から令和9年1月中旬です。合格発表から口頭試験の本番まで、早い人は約1か月しかありません。

しかも口頭試験の日時は通知で一方的に指定され、受験申込み案内には「試験日時の指定・変更は一切できません」と明記されています。つまり「12月上旬に当たったから準備が間に合わなかった」は通用しません。この記事では、公式日程を確認したうえで、どこから逆算して準備を始めるかを整理します。

令和8年度の公式日程

時期内容
令和8年7月20日(月・祝)筆記試験(総合技術監理部門を除く技術部門)
令和8年11月上旬(11月4日(水)予定)筆記試験合格者発表。合格者の受験番号を日本技術士会および文部科学省のホームページに掲載
11月16日(月)まで筆記試験の合否・成績の郵便通知が届く期限の目安。届かない場合は技術士試験センターへ連絡
令和8年12月上旬 〜 令和9年1月中旬口頭試験(あらかじめ受験者に通知する日)
令和9年3月中旬(3月12日(金)予定)技術士第二次試験合格者発表。官報で公告
3月19日(金)まで口頭試験の合否・成績の郵便通知が届く期限の目安。届かない場合は技術士試験センターへ連絡

日程からわかる重要な点が4つあります。

1. 発表から本番まで最短で約1か月

11月4日の発表に対し、口頭試験の開始は12月上旬です。最も早い日程を指定された場合、使える期間は約4週間しかありません。逆に1月中旬まで待つ人もいるため、同じ年度の受験者でも準備期間が2か月以上違います。自分がどちらになるかは、通知が届くまでわかりません。

2. 口頭試験の日時は通知と同時に知らされ、変更できない

受験申込み案内は、口頭試験について「試験の日時・会場は、筆記試験合格通知・成績通知と併せて郵送により通知します」「試験日時の指定・変更は一切できません」としています。合格発表の日には、すでに本番の日が決まっているということです。仕事の予定を後から動かせるようにしておく必要があります。

3. 会場は東京都のみ

筆記試験は12都道府県(北海道・宮城県・東京都・神奈川県・新潟県・石川県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県)で実施されますが、口頭試験は東京都で実施されます。首都圏以外の受験者は、通知が届いた時点で移動と宿泊の手配が必要になります。年末年始をまたぐ日程では宿の確保が難しい時期にかかることもあり、通知が届いたらまず交通と宿を押さえるのが現実的です。

4. 口頭で不合格だと、次回は筆記からやり直し

受験申込み案内には「筆記試験に合格しても、口頭試験で欠席・不合格の場合は、次回以降の技術士第二次試験では筆記試験から受験することになります」と書かれています。筆記合格の効力は次年度に持ち越せません。この1か月の重みはここにあります。

逆算:発表を待たずに始められること

準備期間が4週間になる可能性がある以上、11月4日から始めるのでは足りません。発表前でも着手できる作業を先に済ませておくのが合理的です。しかも、そのための材料はすでに手元にあります。

筆記直後(7月下旬〜8月)にやっておくべきこと:答案の再現

口頭試験は「筆記試験における記述式問題の答案及び業務経歴を踏まえ実施する」ものと公式に定められています。つまり自分が書いた答案は試問の材料です。

ところが、受験申込み案内は「採点結果の内容(答案用紙の開示を含む)に関する問合せには、一切応じません」としています。答案は返ってきません。 11月になってから「Ⅲで何を書いたか思い出せない」となっても、確認する手段がないということです。

記憶が鮮明なうちに、選んだ問題と自分が書いた論旨を書き起こしておく作業は、筆記直後にしかできません。

発表前(8月〜10月)にやっておくべきこと:申込書の読み直し

口頭試験のもう一つの材料が業務経歴です。受験申込書は提出後に訂正できず、業務経歴・業務内容の詳細の加筆・訂正もできないと明記されています。つまり4月に提出した内容が、そのまま12月の台本になります。

手元の控えを読み返し、次の点を確認しておきます。

申込書がなぜ口頭試験の台本になるのかは申込書が口頭試験の台本になる理由で詳しく扱っています。

発表前にやっておくべきこと:試問事項の構造を理解する

口頭試験の試問事項と配点は公表されています。マネジメント・評価(30点)、コミュニケーション・リーダーシップ(30点)、技術者倫理(20点)、継続研さん(20点)の4項目で、合否決定基準は4項目すべて60%以上です。試問時間は20分(10分程度延長の場合もあり)。

20分で4項目すべてを基準以上に示す必要がある、という制約は今の時点でわかっています。詳しくは口頭試験の試問事項と配点(令和8年度)を参照してください。

発表後(11月4日〜本番)の4週間の使い方

通知が届いた時点で、本番日と会場が確定します。ここからは日程が確定した前提で組み立てます。

第1週:材料の確定

第2〜3週:口に出して答える練習

口頭試験は書く試験ではありません。公式にも「試問の意図を考え簡潔明瞭にご回答ください」と書かれています。20分という時間の制約上、内容が正しくても長すぎる回答は不利に働きます。想定質問に対して、実際に声に出して答え、時間を測る作業が必要です。

冒頭の経歴説明については冒頭「経歴と業務内容を3分で」の構成テンプレと時間配分を参照してください。

最終週:4項目の穴の確認

4項目すべてで60%以上が必要という基準から見ると、「得意な項目を伸ばす」よりも「触れられていない項目をなくす」ほうが優先されます。技術者倫理と継続研さんは、業務の話をしているだけでは自然には出てきません。この2項目について答える材料があるかを最後に確認します。

口頭試験の後

口頭試験が終わってから最終合格発表(令和9年3月12日(金)予定)までは、約2か月から3か月あります。発表は官報で受験番号と氏名が公告され、日本技術士会と文部科学省のホームページにも受験番号が掲載されます。合格者には文部科学省発行の合格証が成績通知書に同封されて送付され、受験者には合否を問わず成績が通知されます。

なお、合格しただけでは技術士を名乗れません。受験申込み案内には「登録手続きを行うと技術士となります。登録手続きを行わないと技術士の名称は使用できません」と記載されています。

口頭試験当日の流れと通知については口頭試験の日程・通知・当日の流れにまとめています。

まとめ