技術士第二次試験の合格率は、令和7年度が全体で11.4%、建設部門は9.3%でした。これは日本技術士会が令和8年度の受験申込み案内の巻末に掲載している「技術士第二次試験結果」の公表値です。
合格率の数字はネット上に多く出回っていますが、出典と定義が示されていないものが少なくありません。この記事では、受験申込み案内に載っている表の値のみを、加工せずに掲載します。そこに載っていない数字(科目別・筆記のみ・口頭のみなど)はこの記事では書きません。 ただし口頭試験の通過率は、文部科学省が公表する筆記試験合格者数と最終合格者数の割り算で算出でき、口頭試験で不合格になったらに算出式と部門別の値をまとめています。
令和7年度 技術士第二次試験結果(技術部門別)
合格率は「対受験者」、つまり申込者ではなく実際に受験した人を分母とした値です。
| 技術部門 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(対受験者) |
|---|---|---|---|---|
| 機械 | 1,041 | 884 | 143 | 16.2% |
| 船舶・海洋 | 24 | 20 | 3 | 15.0% |
| 航空・宇宙 | 52 | 50 | 8 | 16.0% |
| 電気電子 | 1,270 | 1,027 | 104 | 10.1% |
| 化学 | 176 | 153 | 21 | 13.7% |
| 繊維 | 36 | 30 | 3 | 10.0% |
| 金属 | 91 | 72 | 13 | 18.1% |
| 資源工学 | 27 | 24 | 4 | 16.7% |
| 建設 | 18,299 | 14,094 | 1,304 | 9.3% |
| 上下水道 | 2,067 | 1,605 | 174 | 10.8% |
| 衛生工学 | 593 | 488 | 49 | 10.0% |
| 農業 | 1,190 | 944 | 117 | 12.4% |
| 森林 | 351 | 286 | 34 | 11.9% |
| 水産 | 128 | 97 | 14 | 14.4% |
| 経営工学 | 258 | 216 | 30 | 13.9% |
| 情報工学 | 523 | 430 | 18 | 4.2% |
| 応用理学 | 752 | 622 | 64 | 10.3% |
| 生物工学 | 58 | 51 | 8 | 15.7% |
| 環境 | 537 | 406 | 48 | 11.8% |
| 原子力・放射線 | 70 | 61 | 9 | 14.8% |
| 総合技術監理 | 3,157 | 2,575 | 584 | 22.7% |
| 合計 | 30,700 | 24,135 | 2,752 | 11.4% |
この表から計算できること
以下は公表値どうしの四則演算です。表に直接書かれている値ではありません。
建設部門は受験者の約6割を占める
建設部門の受験者14,094人は、全体24,135人の約58%。総合技術監理部門(2,575人)を除いた21,560人を分母にすると約65%になります。合格者で見ても、建設部門の1,304人は全体2,752人の約47%です。技術士第二次試験の受験者数の分布は、建設部門に大きく偏っています。
申込者の2割強は受験していない
全体では申込者30,700人に対して受験者24,135人で、差は6,565人(申込者の約21%)。建設部門では18,299人の申込に対して受験は14,094人で、差は4,205人(約23%)です。合格率が「対受験者」である以上、申込者を分母にした値はこれより低くなります。建設部門を申込者ベースで計算すると約7.1%です。
受験者数が少ない部門の合格率は振れやすい
船舶・海洋(受験20人・合格3人)、資源工学(24人・4人)、繊維(30人・3人)のように、受験者が数十人規模の部門では、合格者が1人増減するだけで合格率が数ポイント動きます。部門間の難易度をこの数字だけで比較するのは適切ではありません。
平成27年度から令和7年度までの推移
括弧内は総合技術監理部門を除いた値です(表の注記による)。
| 年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(対受験者) |
|---|---|---|---|---|
| 平成27年度 | (26,739) 30,823 | (21,585) 24,878 | (2,985) 3,649 | (13.8%) 14.7% |
| 平成28年度 | (27,645) 31,635 | (21,885) 25,032 | (3,175) 3,648 | (14.5%) 14.6% |
| 平成29年度 | (28,845) 32,947 | (22,910) 26,253 | (3,175) 3,501 | (13.9%) 13.3% |
| 平成30年度 | (28,701) 32,744 | (22,635) 25,914 | (2,146) 2,355 | (9.5%) 9.1% |
| 令和元年度 | (26,800) 30,690 | (21,146) 24,326 | (2,329) 2,819 | (11.0%) 11.6% |
| 令和2年度 | (22,411) 25,603 | (17,783) 20,365 | (2,098) 2,423 | (11.8%) 11.9% |
| 令和3年度 | (26,355) 29,828 | (20,161) 22,903 | (2,261) 2,659 | (11.2%) 11.6% |
| 令和4年度 | (25,998) 29,391 | (19,754) 22,489 | (2,131) 2,632 | (10.8%) 11.7% |
| 令和5年度 | (26,261) 29,508 | (20,259) 22,877 | (2,147) 2,690 | (10.6%) 11.8% |
| 令和6年度 | (26,776) 29,846 | (20,522) 23,043 | (2,013) 2,395 | (9.8%) 10.4% |
| 令和7年度 | (27,543) 30,700 | (21,560) 24,135 | (2,168) 2,752 | (10.1%) 11.4% |
なお、この表には「試験方法改正」という注記が入っています。試験方法が改正された時期をまたぐ年度どうしを単純に比較することはできません。
推移から言えること
- 直近10年は概ね10〜15%の範囲。総合技術監理部門を除いた値(括弧内)で見ると、令和元年度以降は9.8〜11.8%の幅に収まっています
- 令和7年度は前年から上昇。総監を除いた合格率は令和6年度9.8%から令和7年度10.1%へ、全体では10.4%から11.4%へ
- 受験者数は令和2年度に大きく落ち込み、その後回復。令和2年度の受験者20,365人は表中で最少です
- 総合技術監理部門を含むかどうかで合格率が1ポイント前後変わる。令和7年度は括弧内10.1%に対し全体11.4%。総監の合格率が22.7%と高いためです。出典の異なる数字を比べるときは、この2つの定義のどちらかを確認する必要があります
この資料に載っていない数字
対策記事でよく見かける数字のうち、受験申込み案内の統計表から確認できないものを明示しておきます。
- 選択科目別の合格率:建設部門の中の道路・トンネル・河川などの科目別の数字は掲載されていません。「この科目は受かりやすい」という判断材料は公式資料からは得られません。11科目の内容は建設部門の選択科目11科目一覧を参照してください
- 筆記試験だけの合格率/口頭試験だけの合格率:この表は「技術士第二次試験結果」としての申込・受験・合格者数であり、筆記と口頭の内訳は分けて示されていません。ただし筆記試験合格者数は文部科学省が別に公表しており(令和7年度2,957名)、この表の最終合格者数2,752人との割り算で口頭試験の通過率93.1%(算出値)が出せます。算出式・注意点・部門別の値は技術士 口頭試験で不合格になったらを参照してください
- 年齢別・受験回数別の内訳:掲載されていません
これらを知りたい場合は、日本技術士会が公表している試験統計のページを直接確認してください。数字を引用する際は、対受験者か対申込者か、総合技術監理部門を含むか、筆記か最終かを必ず確認することをおすすめします。
合格率をどう受け止めるか
合格率9.3%という数字は、10人に1人以下しか受からないという印象を与えます。ただし、この試験の合否は相対評価ではありません。合否決定基準は文部科学省が公表しており、筆記は必須科目・選択科目それぞれ60%以上、口頭は4つの試問事項それぞれ60%以上という絶対基準です。上位何%が合格という仕組みではありません。
したがって、対策として意味があるのは合格率を眺めることではなく、各科目の評価項目と合否基準に自分の答案・回答が届いているかを確認することです。科目ごとの配点と評価項目は技術士二次試験の科目構成と配点と合否決定基準に整理しています。
まとめ
- 令和7年度の技術士第二次試験は、受験者24,135人・合格者2,752人・合格率11.4%(対受験者)
- 建設部門は受験者14,094人・合格者1,304人・合格率9.3%。受験者の約6割を占める最大部門
- 総合技術監理部門を除いた合格率は令和7年度10.1%。直近10年は概ね10〜15%
- 合格率は「対受験者」。申込者の2割強は受験しておらず、申込者ベースの値はさらに低くなる
- 科目別・筆記のみ・口頭のみの合格率は受験申込み案内には掲載されていない(口頭の通過率は文部科学省公表の筆記合格者数から算出でき、別記事に掲載) 口頭試験の通過率を部門別に算出した表は技術士 口頭試験は厳しいのか・落ちる人は何が違うのか — 各項目60%の構造と通過率93.1%で数えるに置いています。
- 合否は相対評価ではなく、各区分60%以上という絶対基準
筆記試験の後の流れは筆記試験合格発表から口頭試験までの準備スケジュールにまとめています。